物件の概要
体感・相談・学びを一棟に集約した、複合型の店舗事務所です。
1階

1階には、最新設備を備えた体感型ハウススタジオと打合せ室、テナントを配置。
キッチンや素材、空間の広がりを実際の暮らしに近い形で体感できるほか、料理教室や各種ワークショップの開催にも対応しています。
家具の配置を変えることで用途を柔軟に切り替えられ、体験を通して生まれた気づきを、そのまま住まいの相談へとつなげられる構成としました。
2階
2階には、ラドン浴サロンと一級建築士事務所を配置。
外部の音や視線から距離を取り、心身を整える空間と、設計業務に集中できる静かな執務環境を確保しています。

用途の異なる機能をフロアごとに整理することで、分かりやすく、無理のない動線を実現。
日常的に使う事務所でありながら、体験・学び・提案が自然につながる拠点となりました。
設計から施工まで一貫して手がけ、「使いながら見せる」ことを大切にした、 工務店ならではの空間です。
ハウススタジオを計画するうえでの課題・背景
本計画の大きな課題は、設計事務所に加え、テナントやハウススタジオといった用途の異なる空間を一つの建物にまとめることでした。
それぞれ求められる機能や利用時間、来訪者の動きが異なるため、単純に空間を並べるだけでは、使いにくさや運営上の無理が生じてしまいます。
また、事業として長く使い続ける建物である以上、初期コストだけでなく、将来的な運営効率や維持管理も考慮する必要がありました。
限られた予算の中で、性能・設備・意匠のバランスをどのように取るかが、計画段階からの重要な検討事項となっています。
さらに、設計事務所としての拠点であるからこそ、空間そのものが姿勢や考え方を伝える役割を担う点も大きな背景のひとつでした。
過度な演出に頼るのではなく、日常的な使いやすさと落ち着きのある空間構成によって、信頼感を生む建築が求められました。
これらの条件を整理し、用途・事業性・建築としての完成度を同時に成立させること。
それが、本計画を進めるうえでの根本的な課題であり、設計の出発点となっています。
計画時に重視したポイント
本計画は、設計事務所に加え、テナントやハウススタジオを併設する複合施設として、用途の異なる空間をいかに整理し、建築として成立させるかを最大のテーマとしました。
それぞれの機能が独立して成立しながらも、建物全体として一体感を持たせるため、動線計画とゾーニングを設計の軸に据えています。
計画初期から補助金の活用を前提とした建築計画を行い、性能・設備・コストのバランスを総合的に検討。
制度を単なるコスト調整手段とせず、設計段階から組み込むことで、事業性と建築品質の両立を図りました。
意匠面では、スタイルラボらしさを明確に表現することを重視。
流行に寄せるのではなく、素材感やスケール、余白の取り方によって、設計事務所としての姿勢や価値観が空間から自然に伝わる構成としています。
また、日常的に使用する事務所空間については、スタッフの動きや作業効率を起点とした設計を徹底。
自然光の取り込み方や視線の抜け、空間の奥行きを丁寧に計画することで、業務に集中できる落ち着きのある環境を整えました。
複数の用途を内包しながらも、雑多にならない。
機能・意匠・事業性のすべてにおいて、設計力が問われる建築を目指した計画です。



